- Culture

中村貞裕
泊まらなくても楽しめるラグジュアリーホテル。- 006
2009.12.16
泊まらなくても楽しめる、
東京のラグジュアリーホテル。
Story
ここ数年の外資系ホテルの相次ぐ進出により、名実ともに世界有数の“ラグジュアリーホテル密集エリア”となった東京。だが、東京周辺に暮らしていて、“泊まる必要がないから”とあまり足を運ばない人も多いのでは? そこで今回は、国内外のホテルに精通するトランジットジェネラルオフィス代表の中村貞裕さんに、「泊まっても泊まらなくても楽しめる、東京のラグジュアリーホテルの楽しみ方」を教えてもらいました。
Text by Hiroya Ishikawa / Photo by Nagahide Takano / Photo cooperation by Hyatt Regency Tokyo
「東京で暮らしている人の多くは、わざわざ都心のラグジュアリーホテルに行ったり、泊まったりする気にはならないでしょう。でも、実はそこが盲点なんです。ホテルにはレストランやスパをはじめとする数多くのアミューズメントがあるのに、それを利用しないのはもったいない。東京の街でいつでも遊ぶことができる都内や都内近郊在住の人たちこそ、何の気兼ねもなく東京のホテルを満喫することができると思うんです」
そう語るのは、目黒のホテル「クラスカ」の立ち上げの際に企画運営を手掛け、現在は大阪の「堂島ホテル」をブランディングプロデュースする、中村貞裕さん。自身もこれまで国内外のさまざまなラグジュアリーホテルに泊まり、あらゆるサービスを体験してきた。いわば、ホテルの表も裏も知り尽くしている人物である。
泊まらなくても楽しめる、普段使いのホテル活用術とは?
“泊まる予定がない”と思うと、ラグジュアリーホテルは心理的に遠い存在になってしまう。だが、宿泊を前提とせず、「ホテル内の施設を気軽に普段使いする場所だ」と捉え方を変えてしまえば、ホテルは一気に身近で楽しい存在になる。そんなラグジュアリーホテルの楽しみ方の代表例としてまず中村さんがオススメするのが、ホテル内の「スパ」だ。
「街中のスパだと、終わって外に出た途端、現実に引き戻されて気持ちが冷めてしまいますよね。それに比べてホテル内のスパは、併設されているお風呂やサウナ、プールなどを利用できるところも多い。さらにホテル内で食事をすれば、半日かけて心身ともにゆっくりとリフレッシュすることができます」
中村さんイチオシのスパのひとつが、ハイアット リージェンシー 東京のスパ&ウェルネス『ジュール』だ。「ここは、27階のスパを利用すれば、28階のプールとフィットネスを自由に使うことができるのがいいですね。特に、スパとホテル内レストランのランチがセットになった期間限定のパッケージがオススメ。疲れた時にこのホテルで半日過ごせば、リフレッシュ完了です」。ちなみにこのパッケージ、次回はスイーツとセットで2010年1月上旬にスタートする予定だ。
また、コンラッド東京の29階にある『水月スパ&フィットネス』のスパ・スイートルームは、「サプライズ感が高いんです」と中村さん。「ここには全面ガラス張りの窓際に檜風呂があるんです! ひとりはもちろん、ふたりでも利用できるので、大切な人と来てもいいし、女性なら母親や娘と一緒に利用してもいいと思います。ギフト券もあるので、プレゼントにも最適ですね」
さらに、パーク ハイアット 東京のスパ&フィットネスクラブ『クラブ オン ザ パーク』は、ジャグジーやスチーム・ドライサウナなどを完備し、「さらに眺望もよく、総合的に贅沢な気分を味わえます」とのこと。ほかにも、ザ・リッツカールトン東京の『ザ・リッツ・カールトン スパ&フィットネス by ESPA』や、マンダリン オリエンタル 東京の『ザ・スパ・アット・マンダリン・オリエンタル・東京』など、高層階にあるスパは心身を癒しながら都心の風景を楽しめるのが魅力だ。
スパはもちろんだが、“食事”と“お酒”も、ホテルを普段使いで満喫するための大きなポイントだ。あまたあるラグジュアリーホテルのダイニングやバーの中から、中村さんが特に気に入っているところを思いつくままに挙げてもらった。
「まず、食事です。パーク ハイアット 東京のレストラン『ジランドール』の、“エクスリブリス”と呼ばれるブース席がオススメです。喫煙席なのですが、隣の席と仕切られているため、タバコを吸わない人でもそれほど気にならないし、なにより特別感があるんですよね。一日中オープンしているので、昼や夜も利用できます。
ザ・ペニンシュラ東京の最上階 (24階) にある『Peter』でのランチもオススメです。ここまで皇居外苑を一望できるレストランはほかにないのでは。しかも前菜、メイン、デザートの3品コースランチは、女性にとって量もちょうどよく、気軽にコース料理が楽しめます。それと、シェラトン都ホテル東京の『BAMBOO』は、ロビーラウンジながらフードメニューのバリエーションが豊富。サンドウィッチやカレー、パスタから丼ものまで揃うので、カジュアルに使えます。
次に、お酒です。ホテルのバーはどこも個性的でサービスのレベルが高く、利用しない手はないですね。特に女性は、その時の気分や、好きなお酒、フルーツなどをバーテンダーに伝えて、おまかせでカクテルを作ってもらうワクワク感やドキドキ感が醍醐味でしょう。クルマを運転する人やお酒を飲めない人は、ノンアルコールで美味しいカクテルをつくってもらうという楽しみ方もできます。
ザ・プリンス パークタワー東京の33階にあるラウンジ・バー、『スカイラウンジ ステラガーデン』は、東京にいることを驚きとともに実感できます。ここは東京タワーから徒歩5分の立地にあるので、北西方面に東京タワーが圧倒的な迫力で見えるんですね。普段見慣れている人でも、この眺めにはきっと驚くと思います。ほかにも、パーク ハイアット 東京の『ニューヨーク グリル & バー』や、帝国ホテルの『オールドインペリアルバー』、グランドハイアット東京の『マデュロ』、シェラトン都ホテル東京の『Mバー』など、素敵なバーは本当にたくさんあります」
ホテルが自分仕様にカスタマイズされていく楽しさ
お気に入りのスパやダイニング、バーでゆったりと豊かな時間を過ごせば、心身ともにリフレッシュできるはず。さらに、ラグジュアリーホテルをもっと丸ごと楽しみ尽くすなら、時にはプチ旅行気分で宿泊してみるのもいいだろう。
「ラグジュアリーホテルに泊まったら、モーニングコールはもちろん、レストランの予約や靴磨きなど、自分では一切何もやらないぐらいの感じで“わがまま”を言ってみるといいですね。ホテルマンは客にサービスやホスピタリティを提供することに喜びを見出す職業なので、客からの要求がないほどつらいことはないと言いますから。また、同じホテルに2回、3回と泊まると、“わがまま”に応えてくれる嬉しさをもっと実感できます。何も言っていないのに、前回泊まった時に頼んだ加湿器がすでに部屋に用意されていたり、ホテルが自分仕様にどんどんカスタマイズされていく感じがいいんですね。
自分の家からそう遠くないところに、世界的に見ても素晴らしいラグジュアリーホテルが揃っているわけですから、これを利用しないのは本当にもったいない。泊まるもよし、泊まらずに施設を利用するもよし。ぜひ、自分なりの“普段使い”な楽しみ方を見つけてみてください」
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