- Stroll

北尾武史(T-serv.)
自転車で走って楽しい都心のスポット。- 004
2009.11.09
緑豊かな裏道から東京タワーまで、
走る楽しさを満喫できる都心のスポット。
Story
エコで健康的な移動手段として、自転車の人気は高まる一方。そんな中、実はいつも似たような場所ばかり走っているという人も多いのでは? そこで今回は、東京の都心を日々分刻みで疾走するバイシクルメッセンジャー・北尾武史さんに、“走っていて本当に楽しい&気持ちいい!”というスポットを推薦してもらいました。Text by Kentaro Inoue, TokyoFaves / Photo by Rikimaru Hotta, Tokyo Faves
T-serv.は、日本で最初のバイシクルメッセンジャー会社。映画「メッセンジャー」のモデルになったことでも知られる、業界のパイオニア的存在である。そんな同社の若手エース的存在なのが、北尾武史さんだ。
「京都で前職を辞めて繋ぎのバイトで入った会社が、たまたまメッセンジャー会社だったんです。それで、欠員が出たというのでやってみたら、すっかりハマってしまって……。以来、バイシクルメッセンジャーひと筋です」
北尾さんの所属する「1時間便」チームは、クライアントから荷物をピックアップして最速で届ける花形のポジション。丸の内のビジネス街、港区、渋谷区、中央区、千代田区など、都心エリアを中心に日々自転車で駆け抜けている。
T-serv.では、ディスパッチャーと呼ばれる指令部隊とメッセンジャーがチームを組み、オーダーをさばく。常時、無線で指示を受け、次々と荷物を届けていくのだ。ときには、別のメッセンジャーに荷物を渡したり、届ける途中で入ってきたピックアップを先に済ませたり……。
「ディスパッチャーとの信頼関係が大切なんです。彼らはもちろん自転車に乗っていないんですが、無線を聞いているだけでアドレナリンが出ているのがわかる。忙しいときは、どちらもテンションが上がりぱなしですね」
新宿御苑の裏から東京タワーまで。走って楽しいのはここだ!
北尾さんの愛車は、ピストバイクにロード用のブレーキを付けた、フレームビルダー「REW10WORKS」の特注モデル。これにまたがり、もっとも忙しいときには1日40便近くを届ける。距離にすると、120〜130キロにもなる。そんな“プロの自転車乗り”が走っていて楽しい都心のスポットとは、いったいどこなのか。
「京都から東京に来た時に思ったのが、東京は意外に緑が多いということ。街路樹や公園も整備されていて、自転車で走っていると緑がたくさん目に飛び込んでくる。そういう場所はやはり気持ちがいいですね。
新宿御苑沿いの裏道、代々木公園から表参道、皇居のすぐそばの内堀通り沿いなどは、どこも緑が多くて爽快な気分になれます。
あとは、四季折々の季節感があるところもおすすめ。秋だったら、銀杏並木の美しい絵画館前や青山霊園、毛利庭園の紅葉とか。冬なら、丸の内仲通りや、けやき坂のライトアップもいいですね。走り疲れたら、数寄屋橋公園みたいなスポットでひと休みして。
それと、ベタですが、“ああ、東京を走っているんだな”と実感できて気分が盛り上がるのは、やはり東京タワー。夜の銀座四丁目も、東京らしくて好きです。坂が多いことを除けば、東京は自転車乗りがとても楽しめる街だと思いますよ」
京都出身で、京都と東京の両方でメッセンジャーを経験している北尾さん。このふたつの都市は、自転車乗りの視点から見てどう違うのか。また、東京の道をどうやって覚えたのだろうか。
「京都の中心部は盆地の底なので、坂も少なくて走りやすい。また、道が碁盤の目のようになっているので、方向さえわかれば完璧に覚えていなくても対応できました。でも、東京はそういうわけにはいかない。東京で走り始めた最初の頃は、交差点で止まるたびに地図を見て、ルートを確認していました。早く道を覚えるコツは、「和光」と「銀座4丁目」など、大きなランドマークと交差点を組み合わせて覚えること。そこから枝葉をつけるように、間を埋めていくんです」
今では裏道までばっちり把握し、最短コースを一気に駆け抜ける。ただ、雨の日だけはさすがに少々辛いとか。雨の日に都心の道を走らざるを得ない場合、どんなことに注意すべきか聞いてみた。
「普段は車道の歩道寄りを走っていますが、雨の日は少し歩道から離れて走ることですね。車の邪魔にはなりますが、わざと目立つようにして、車によけてもらう。雨の中で端っこを走ると、よく見えずに側溝にひっかかったりするので要注意。僕も雨の日に、植木にひっかかって転んでしまったことがあります。あとは、当たり前ですが、夜は必ずライトをつけること。雨の日ならなおさらですね」
さあ、あなたもお気に入りの自転車にまたがって、東京の都心へ出てみよう。きっと、クルマやバスの車窓からは気付かなかった、新しい東京の顔が見えてくるはずだ。
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