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水野仁輔
世界一のカレーシティ、東京。- 001
2009.09.20
世界一のカレーシティ、東京。
必訪の「東京カレー遺産」はここだ!
Story
東京はまさに「インド人もビックリ!」* のカレー天国。もはや世界一のカレーシティと化した東京のカレー文化の歩みを体感できる、「東京カレー遺産」スポットとは……? Text by Kentaro Inoue / photo by Shinichi Yokoyama, Tokyo Faves
インドカレー、タイカレーに欧風カレー……。あらゆる種類のカレーが揃う東京に暮らしていると、つい「カレー文化」は世界中どこの国にもあるような気がしてきてしまう。
「でも、インドカレーはインド料理の代表的な一料理にすぎないし、タイカレーだって『ゲーン』という汁物料理の一種。ヨーロッパにいたっては、イギリスにこそインド料理文化があるものの、他の国にはカレー自体がほとんどないですよね」
そう語るのは、「東京カリ〜番長」の調理主任であり、カレーに関する多数の著書を持つ水野仁輔さん。
ちなみに、エスビーのスパイス&ハーブ総合研究室によれば、日本人が年間ひとり当たりに食べるカレーの回数はなんと84回。カレー粉の消費量はインドに続き世界第2位。しかも、カレーうどん、ドライカレー、カレーパン、カレー味のスナックなど日本独自の食べ物に加え、近年では「よこすか海軍カレー」「札幌スープカレー」をはじめとするご当地カレーもさかん。ひとつの”カルチャー”と言うべき裾野の広さと人気を獲得している。
「カレーひとつでこんなに盛り上がっているのは、世界中を探しても日本だけ。中でも東京は、店の数、バリエーションからも、世界一のカレーシティだと思います」
水野さんのカレー原体験は、今からおよそ30年以上も前にさかのぼる。幼稚園に上がる前から通っていたという、地元・静岡県浜松市の「ボンベイ」というカレー店。
「高校を卒業するまでは、カレーファンでもなんでもなく、ただの『ボンベイ』ファン。みそ汁とかと同じ、僕にとっての“おふくろの味”ですね」
大学進学のため上京し、ボンベイのカレーが食べられなくなった水野さんは、「ボンベイの味をつくるか、似た味の店を探すしかない」と思いつく。インド料理店でアルバイトをしながら東京の店をかたっぱしから食べ歩くうちに、徐々にカレーの奥深さにはまり込んでいった。
その後、1999年に、友人たちと「東京カリ〜番長」を結成し、毎月定例のパーティを始める。公園やクラブなどで音楽を流しながらみんなでカレーを食べるという、ちょっと変わったイベントだ。そして現在では、連載や著書の執筆、さまざまなイベントへの出演や、商品開発なども行っている。
「カレーといえば水野だよね、と言われても全然うれしくないんです。東京カリ〜番長は、世界中のどこにもないカルチャーをつくって発信していきたいんです」
オリジナリティ&カレー愛あふれる「東京カレー遺産」
今回、水野さんが選定してくれた「東京カレー遺産」は、あまたあるカレースポットの中で、日本のカレーカルチャーの発展にとくに貢献した7つの場所。世界の中でも、ここ東京にしかない、オリジナリティ&カレー愛あふれるところばかりだ。
かつてフランスの三ツ星シェフ、ミッシェル・トロワグロ氏は、もっとも好きな日本料理にカレーライスをあげて、こう言ったそうだ。「フレンチはメインの素材を引き立てるためにソースがある。でもカレーは脇役のはずのソースが主役になっている」と。
そして水野さんは、カリ〜番長のイベントを通じてこんな結論にたどり着いた。
「もはやカレーは食べ物ではない。コミュニケーションツールだ!」
学校の給食だったり、家庭で食べたおふくろカレーだったり、行きつけのカレー店だったり……。日本人なら誰でも、カレーについて語るべき何かを持っている。カレーとは、そこにあるだけで場を盛り上げる“魔法のコミュニケーションツール”なのだ。そんな偉大なるカレーカルチャーの歴史と進化の歩みをおいしく体感できる、「東京カレー遺産」。一緒に行った人同士、カレートークで盛り上がること請け合いだ。
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